Have a rice day!
ニューズレター Vol. 22
目次:
カリフォルニア・コメ作業(10月) 北川
フリートレードについて 北川
回転寿司の0円皿 マクファーランド
次回予告
水について 等 北川 等
はじめに
ようやく新米の出荷が始まりました。コメでは新しい年の始まりと言うことで、また今年一年宜しくお願いいたします。新しい包装形態で始まりました新米ですが、新包装に漕ぎ着けるまで色々と苦労いたしました。ただ、田牧米を食べていただける最終消費者の皆様にできるだけ精米仕立ての味をお届けしたいという一心で今回の変更を行いました。15ポンドの結果を見ながら他の小包装の方も順次考えて参りたいと思っております。今後ともできることを少しずつ形にして実行していきたいと思っております。
カリフォルニアのコメ作業(10月)
今年は収穫が遅れており、10/5時点で40%程度収穫が終わっているという状況で、昨年同時期は66%既に終了しており、過去5年の平均でも50%近くは終わっているはずなのですが、未だに収穫最盛期です(農務省からの発表)。植え付けの遅れもさることながら、9月の中下旬の気温の低さと昼夜温の寒暖の差で朝には露が付いたり朝もやの多く出る状況で、乾燥が余り進まなかったことが原因していると思われます。この9月中下旬の気候は日中30度程度で、朝方の最低気温は12度程度と成熟には良い気候だと思われ、後半の収穫の出来映えは期待できると言えると思います。
通常10月の農作業は収穫と収穫後の田圃に残るわらや株の整理になります。昨今稲わらは牧草のように集められ、ベールにされたり、乾燥牧草の様に四角く固まりにされて農場から持ち出されております。その後水を張って株を腐らせて、泥と一緒に混ぜて有機肥料として使われることも多くなりました。以前田圃は収穫後焼かれて、その後耕して灰を田圃に混ぜ込むことを行ってきましたが、環境問題で田圃を焼くことができなくなり、作業は一変しました。牧草のように集められた稲わらは一部牧草と同様に売られていますが、一部は建材として板のように成形され壁として建築に使われることも行われています。稲わらや籾殻は今でも多くは産業廃棄物のような扱いですが、上述のような建材としてや、紙の様に繊維分を取り出して紙プレートの様に成形したり、と言うことで実用化に向かっている物も有ります。それ以外に成分を抽出してエタノールを作れるようにとか、それらを燃料として焼いて、その後の残さをシリコンとして取り出し、コンクリート原料として使用する等の案は出ております。しかし、現実問題実用化には今のところ至っておりません。稲作と環境問題、それと窒素循環や再利用など稲作が色々な面で活用できるようになれば、アメリカのみならず、アジアやアフリカなどのコメ生産にも使える有効な手段となり、稲作が産業として多面的な機能を持ったより意味のある物となると思われます。
カリフォルニア・コメ市況(原料サイドから見た)
2003年9月末頃の原料市況と言うことでお知らせいたします。これはあくまでも私個人の私見でありますので、あらかじめご了承下さい。
新米はそろそろ動き始めているのですが、価格の方は様子見と言った感じで、前回の報告の通り新米のカルローズは白米で100ポンド当たりUS$22.00と変わっていないようです。農家側では収穫が思ったほど多くなかったため、高値希望が出ていることには違いは有りませんが、販売側としては高値をいやがられ、他の産地に大幅にシフトされるような事が起これば価格は下方へ急速に動くと思われます。今後は不作が告げられている日本向けが一番の注目です。日本の入札価格がある程度高く始まれば、これが相場としてある程度は保たれることになると思います。もし低めに始まれば、価格は急速に冷え始めると思います。日本向け入札(MA=政府輸入)は10/17/03、一般入札(SBS)が10/24に予定されています。
フリートレードについて
WTOのカンクーンでの交渉は決裂に終わり、今後とも収拾が付くかどうか問題になってきました。その世界全体の自由貿易思想に対峙して、経済のブロック化とも言うべき、二国間や複数の国だけで取り決めるフリートレードが台頭してきました。代表的な物にはEU(欧州)、NAFTA(北米)、MERCOSUR(中南米)、そしてその北米と中南米も結ぼうとするFTAA(米州自由貿易)、
AFTA(ASEAN)というブロックでのフリートレードですが、それに加えて昨今盛んに進められている二国間で決めるフリートレード、例としてはUS-Singapore自由貿易協定や日本とシンガポールの自由貿易協定など、市場の囲い込みに躍起となっている国々の間で話し合われているケースが可成りあるようです。元々のフリートレードの思想は多国間で自由に貿易などを行い、国の壁を取り払い、あたかも同じ国の中に居るかのごとく人も物も金も自由に動けるようにと言うことのようです。EUでは元々は第一次大戦や第二次大戦を経験して国同士の対立を少なくすると言う思想が有るようですし、資源や資金の流れも自由に動くことでアメリカなどの大国の攻勢にも負けない経済力と意見の集約に依る発言力を目指しているようです。通貨の統合という偉業も成し遂げ、ブロック内で最適な原料の調達や加工場所を見つけることで、それぞれの産業も世界的にも競争力が出て来るという効果も見られます。アメリカもそれに対抗して北アメリカ自由貿易圏を作り、その中で自由に物が行き来できるように行われてきています。しかし、その貿易圏内での経済力に大きな差が出たりすれば、植民地化と言う問題が懸念されます。これはアセアンと中国や韓国、日本を含む時にも問題とされることが有りますがこのことは充分注意していく必要が有ると思います。
アメリカは建前としてはWTOで世界が共通の認識の中でできるだけ障壁を無くした中で貿易も資金も人も動けるようになることを望んでいるはずですが、自国の農業の輸出に補助金を出して発展途上国から矛盾を指摘されたりして、WTOの交渉もまとまりがつかなくなりつつあります。ただ、WTOを待っていると市場や原料産地が他のフリートレードにて囲い込まれる危険性を察知し、NAFTAやFTAAへと突き進んだり、アセアンにも働きかけ環太平洋のグループに入ろうとしたりする行動を取っています。日本もWTOでは可成り劣勢で、またフリートレードの話し合いにも農業という足かせがあって交渉になりにくくなっております。実際シンガポールとはFTAを結びましたが、それ以外は交渉が難航し、メキシコとは可成り話し合いが進んでおりましたが、農業分野での日本側の歩み寄りが無く可成り難しい状況に追い込まれてきているようです。日本は特に産業界から東アジアを含むアセアン諸国との連携を望む声が可成り大きくなっております。これは原料の調達や工場の移転、そして今後生まれる中国やインドという可成り大きな市場を今のうちから囲い込んで置きたいと言う思惑が有ります。また、資本市場としてアジアには通貨危機が有ったため、アジア内での資本や資金調達は必然という、アジア各国からの可成り強いモチベーションも有ります。日本はWTOでもこのアジアの経済圏の構想でも農業が可成りの問題となっているのは明白です。今後これらの問題は政治的に決着を見ることに成るかも知れませんが、国民の多くがもっと農業問題を知り、状況を十分承知した上で賛同して動くことが寛容であると今強く認識しております。これは日本だけでなく、アメリカもそして中国も農業問題をもっと深く考えて結論を出すべきであると考えます。
今回はこの辺りで。
次回は「水」についてお話しさせていただきます。
(北川正巳)
0円皿
McFarland, Kaoru
読売新聞のニュースに“回転寿司に0円皿”という見出しを見つけました。0円皿が回っているって何が載っているのでしょう。
生ゴミ減量のために埼玉県の回転寿司店がこれまで廃棄していた魚の骨などを調理して無料で提供し始めたということです。これは生ゴミを堆肥などに再利用するのではなく、“ゴミを出さない”という取り組みから考えられたそうです。
この回転寿司ではマグロやエビに交じって“0円皿”が回ってきます。それらは甘エビの頭や穴子の骨の素揚げ、マグロの切れ端のマリネなどだそうで、どれも無料サービス品とは思えない立派なメニューばかりだということです。平均ひとり2皿は食べるそうです。生ゴミが2〜3割減るばかりではなく、お客様にも大いに喜んでもらえます。おいしいのに加え何と言ってもただであるという魅力。この寿司店にとってはまさしく一石二鳥です。
食材を無駄なく食べることでゴミを減らす、環境に優しい取り組みです。
食材を無駄にしないという調理は家庭でこそ実践して欲しいとニュースの最後でつないでいます。日本ではゴミを出さない料理法を教える教室も盛んになっていると聞きました。主婦のひとりとしてまた食品業界に働く者としても大いに考えさせられる話題でした。
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