"Have a rice day!"

ニュースレター Vol. 8

目次:
おコメの乾燥処理について/ 北川
ニューヨーク市場から/ 塩田三知子

次回予告
  日本でのコメ消費動向などについて 等/ 北川 等

 

おコメの乾燥処理について

おコメは、古くから生鮮の果物や野菜などと異なり、乾燥をさせて今わたしたちが頂いているおコメ
の形で流通され、水を入れて浸み込ませて、炊飯して頂いております。これだけを見ても完全に保存
食として考えられてきたことが解ります。一年に1度の収穫物を、周年頂く形の食べ物です。
もちろん熱帯地帯では一年に何度も収穫が有るところもありますが、基本的にそういった地域に於い
ても保存食には変わり有りません。そこで保存させる最適な条件を考えて乾燥と言うことが行われて
いるのが基本であったと思われます。それ程科学が発達していない時期でも乾燥させておけば保存が
きくことは経験から解っていたのでしょう。
乾燥させる意味は大きく2つ有ると思います。最初に腐ることを避けるという一大目的が有ります。
そしてもう一つは内容成分が変わらないように固定することでしょう。最初の腐ると言うことは、
水分が有ることによって微生物やカビが繁殖して、変性してしまうことを言います。これを防ぐた
めには収穫後できるだけ早く乾燥を始めます。また、できるだけ早く水分をある一定以下の水準ま
で下げてしまうことです。大昔の人々は経験的にある一定以下に乾燥してしまえばこの問題が無く
なることを知っていたのですが、これを科学的に調べていくと、14−15%以下と言うのが条件
となるようです。もちろん菌の種類などにも依るとは思いますが、14%以下にすることが安全と
言われているのが普通です。また、14%以下にしておけば虫の発生も少ないことが解っております。
ですから多くの乾燥所では、これ以下を目標にしてきましたし、カリフォルニアでは以前は12%
程度に持っていくことが慣行的に行われていました。そして2つ目の、乾燥さえしておけば微生物
やカビなどに成分を使われないのと同様に、おコメ自体も自ら自分の栄養を使って発芽したり、呼吸
で養分を損なったりすることが極端に無くなるため、乾燥する事は保存食として重要な意味を持つと
言うわけです。
さて、そこでこの安全な12%や14%以下は食べる方にとってはどうかという問題です。日本人に
とって日本のおコメをおいしいと感じるのはこの乾燥・保管にも大きく影響されているのです。実は
多くの日本のおコメは14%以上に保たれています。そして15%から16%になっている物もかな
りあるのです。上記の条件からすると明らかに危険域に有るのです。日本では食味を重んじるばかり
に、水分を可能な限り高く保とうとしています。その結果その危険を回避するために莫大な投資やエ
ネルギーが使われているのです。水分を高く保って微生物やカビ、そして発芽や呼吸からおコメを守
るには温度を下げるしか方法は有りません。日本では玄米を冷蔵庫に保管しているのです。しかも莫
大な量を。そして多くは国民の税金で1年も2年も寝かせているのです。これ以上日本の話は必要な
いのでここまでにしますが、こういったことが行われていることを知っておいていただきたいのです。
話を元に戻しますが、ですからカリフォルニアで日本におコメを送るようになる前は明らかに安全な
12%前後を目標としていたのでした。そして日本向けに輸出が始まり、当然日本の買い手は14%
から15%程度の物を要求し、カリフォルニアもそれに応えるべく乾燥を15%程度のとどめること
を行ってきました。しかし、そこには危険が伴いました。やはり菌やカビの繁殖などでコメに臭いを
付けてしまう事故が度々起こってしまったのです。
現在では乾燥の方法を工夫し均質な乾燥を心がけ、それらの事故は大変少なくなりました。乾燥はい
ろいろな方法また規模で行われます。それによって食味も大きく左右されるのです。食味は農家の作
り方、気候、水なども大きな要因ですが、この乾燥も大きな意味を持っております。乾燥の速度によ
っても食味は壊されます。早く仕上げたいばかりに乾燥を急げば胴割れと言っておコメにひびが入り、
炊いたときに割れて食味が落ちます。乾燥を均質に行わなければ、高い水分の場所で問題となり、そ
の臭いが全体に移って多くのコメが使えなくなったります。農家の管理が悪く雑草が多い水田から来
たおコメをそのまま乾燥させると、おコメと雑草やわらと間で乾燥がうまく進まずに問題となること
も多くあります。今回私が申し上げたいのは農家と精米所がいくら頑張ってもこの乾燥で失敗すると
どうしようもないと言うことです。ですから、おいしいおコメはそのどの段階でも細心の注意が必要
で、その3つの段階でのレベルが調和のとれたときにおいしいおコメとなるのです。少し説明が中途
半端な気もしますが、今回はこの辺りで。

次回は「日本での消費動向」についてお話しさせていただきます。
(北川正巳)

ニューヨーク市場から
塩田三知子

【牛丼の吉野家NY店】
マンハッタンのど真ん中Times Squareに出来た「牛丼の吉野家」は、マクドナルドの日本食版と
いった感じですっかりアメリカ人に定着したようです。同じような価格でもハンバーガーよりもず
っと満腹感があるのはきっとご飯のなせるわざ。以下に日本国内の「吉野家」ディー・アンド・シ
ー商品部の食材バイヤーさんによる「米」に対する品質基準を、(株)米穀データバンク発「米穀
市況速報」から一部記事転載致します。
● 米は、核商品「牛丼」に欠かせない最重要商材のひとつで、米そのものでなく「ごはん」として
のバランスを重視している。品質基準は昨年から産地指定を吉野家品質指定へと変更。精米分析値
でなく「ごはん」としての品質管理で、穀物検定協会にも委託して管理徹底。牛丼用ごはんには、
ねばりよりも粒感を重視。
● 年間使用料は3万3千トン。全国7ヶ所の配送センターに納品され、オンラインシステムで在庫
管理(平均1.5日)している。
● 米の仕入れ価格は、年産の切り替わり時期に決め、基本的に一年間同一価格。米の価格が相場で
動いていても売価の変更は出来ない。
● 米の選定は、まず安心・安全。栽培履歴や10項目の残留農薬検査およびカドミウム検査を納入
条件としている。第2に前述の品質。第3に数量。スポットでなく将来的にも有望な産地であるこ
と。最後に価格を決める。(2002年3月27日)
*(株)米穀データバンクとは:日本国内の新聞社、テレビ局、通信社を始め、ロイター、ウォー
ル・ストリート・ジャーナル紙のような海外の報道機関に対して常時コメントを流し、日本の米情
勢に対する理解・啓蒙に務めている。

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